今回は、消防設備の一つである、避難設備の基礎知識ついてご紹介します。
避難設備とは、火災などが発生したときに避難のために使われる機械器具や設備のことを言います。
消防設備の一つであり、消防法によって多くの建物に設置・点検が義務付けられているのです。
避難設備は、大きく「避難器具」と「誘導灯・標識」に分類されています。
避難器具は、階段などの通常の避難経路を使って避難できない場合に用いられる
避難ロープやすべり台、避難はしごなどの器具のことです。
誘導灯・標識は、非常口の位置や避難の方向を示すもので、
照明装置が付いた誘導灯と、照明装置が付いていない誘導標識に分けられています。
今回は、代表的な避難設備をピックアップしてご紹介します。
避難滑り台とは、火災などが発生した際、
建物の高層階から地上に避難するためのすべり台のことです。
防火対象物の窓などと地上とを台で連絡し、その台をすべり降りることによって避難します。
建物に固定するため、安全性が高く、特別な操作が不要で、
短時間で多くの人が避難できるのが特徴となります。
すべての防火対象物に設置できますが、実際には病院や学校、幼稚園・保育園、老人ホームなど、
階段での避難が困難であることが予想される建物に設置されることが多くなります。
避難はしごとは、火災などが発生した際、
建物の高層階から地上に避難するためのはじご型の設備のことです。
立てかけはしごやつり下げはしご、固定はしごやフレームユニット型はしごなど、多様な形式があります。
マンションなどでは、階ごとのバルコニーに上下階と結ぶ避難はしごと、
床面の避難用ハッチが設けられるのが一般的となっています。
救助袋とは、火災などが発生した際、建物の高層階から地上に避難するための袋状の設備のことです。
鉄枠と布などから構成されており、上層階から垂らした袋の内部をすべり降りて避難します。
垂直にすべり降りる「垂直式」と、
45度くらいの角度で張り渡してすべり降りる「斜降式」の2種類があります。
緩降機とは、火災などが発生した際、建物の高層階から地上に避難するためのロープ状の設備のことです。
避難者が他人の力を借りずに自重により降下できるのが特徴となります。
避難者は、着用具と呼ばれる輪に体を通し、ロープに吊り下げられて降下して避難します。
誘導灯とは、火災などが発生した際、迅速かつ安全に避難・誘導するために設けられる標識のことです。
非常口や避難通路を示すための発光式表示板で、平時から常時点灯しています。
四角や長方形の箱型の形状で、白地に緑、または緑地に白のマークが描かれています。
天井や床に配置されるのが一般的となります。
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